タイズマガジン関西

【エンジニア必見!】新たな技術や環境へ挑戦し、出る杭になってほしい 【エンジニア必見!】新たな技術や環境へ挑戦し、出る杭になってほしい

(2017.3.8更新)古野電気株式会社 舶用機器事業部 開発部 次長 兼 LMP開発課長 徳田浩二様
インタビュー
徳田浩二様

古野電気株式会社 舶用機器事業部 開発部 次長 兼 LMP開発課長 徳田浩二様

―― 現在、携わっておられる製品・お仕事について教えてください。


舶用機器事業部に所属し、船舶用電子機器の開発を行っています。当社の市場は大きく分けて3つあります。1つはコンテナ船やタンカーなどの大型船舶に搭載される商船市場向け機器。2つめは漁労機器で漁船に使用されるもの。3つめは小型・プレジャー船です。私はLMP開発課長も兼務していますが、これはライトマリンプロダクトの略で、小型プレジャー船関連の機器を中心に開発しています。
開発の源泉としては、現状はややニーズが強いかと思いますが、シーズを源泉とした開発も行っており、お客様やマーケットが驚くような製品の研究も進んでいます。
入社当時は漁労機器の開発を担当しており、当社でも高価格な製品であるスキャニングソナーの開発に携わりました。魚群探知機は船の真下の魚群だけを探知しますが、スキャニングソナーは振動子と呼ばれるセンサーが1000個ほどついている大型センサーで周囲方向の探知が可能な製品です。簡単に言うとミラーボールみたいな装置です(笑)。
その次に航海機器全般の開発に異動し、現在、小型プレジャー船向けの製品開発を担当しながら、所属部門全体の統括にも携わっています。



―― 御社で製品開発に携わる技術者のやりがいは何でしょうか。


私たち自身は製品のユーザーではないので、製品のリリース前に、思い描いた機能が実際にお客様にとってメリットがあるかどうかを、開発者自ら確認するフィールド評価を必ず行っています。漁労機器であれば、懇意にしている漁業者様に試験的に船に設置してもらい、開発者も乗船して漁をしながら、直接お客様の声を聞き、それをさらにメンバーにフィードバックします。お客様の声を直接お聞きして、その要望を実現するために努力する。それが当社の開発の面白さだと思います。このフィールド評価は国内だけでなく、海外でも実施しています。今ではあまり行われなくなりましたが、私は昔、漁業の先進国ノルウェーにアパートを借りて、開発者や営業のスタッフが交替で自炊をしながら半年間、現地の方々と漁をしながらフィールド評価を行ったこともあります。こうした業務を通じて、開発と営業が同じ方向を向き、現地の子会社のスタッフやお客様とのつながりを深めることが、モチベーションの源泉となっていると思います。


―― グローバルで見ても、御社製品の評価・シェアは非常に高いと認識しておりますが、御社が選ばれている理由は何でしょうか。


私が認識している限り、商船、漁船、小型・プレジャーボートの3つの市場で製品ライナップを揃えている企業は、世界的にも当社だけだと思います。だから、FURUNOブランドは世界に広まっている。世界でもオンリーワンの企業だと自負しています。また、常に新たな機能や製品の開発に取り組み、それを市場に展開しています。70件ほどのプロジェクトに300名程度が携わっているため、規模の大小はあるものの2,3人でプロジェクトを担当している状態もあり、企画から開発・評価など上流から全て携わり、顧客ニーズに対応している点も大きいと思います。



―― 一番思い出に残っている開発製品は何ですか。


スキャニングソナーFSV-24です。1995年に当社では超音波診断装置の開発に取り組み、医療機器分野に挑戦するということでアメリカに子会社を設立しました。開発者10数名もアメリカにわたって超音波診断装置の開発に取り組んでいました。その時に競合他社が様々な製品を市場に投入し、北欧での当社のシェアを奪い始めていました。当時、私が一番年下でしたが、今から思えば渡米した先輩たちは当社の開発の主要メンバーでした。当社でもより性能の高い製品の開発が最重要案件となり、アメリカでの開発を中断し、メンバーは帰国して新たなスキャニングソナー開発に取り組むことになりました。競合他社製品の探知距離の1.5倍をはじめとする様々な性能の向上が目的です。先述したノルウェーでのフィールド評価もこの時に経験しました。そして、狙い通りの性能・機能を実現し、シェアを奪回したのです。この時に搭載した様々な機能は、現在のスキャニングソナーに引き継がれています。アメリカで取り組んだ超音波診断装置開発で培った技術資産をスキャンニングソナーに応用したことが、この成功の大きな要因となりました。


―― 将来の夢や目標についてお教えください。


現在、当社の海外拠点は30以上に拡大しましたが、ほとんどが営業拠点です。一部ソフト開発は、中国やフィンランドでも行っていますが、これからは開発拠点ももっとグローバルに展開することが私の夢です。アメリカで開発に取り組んだ経験から得たものが大きく、今でも仕事のベースとなっています。人それぞれ根付くものは違うと思いますが、海外での開発経験は必ずプラスになると考えています。また、当社の製品の多くは海外で販売されています。特にプレジャーボートは国内よりも海外の方が盛んです。開発エンジニアが、マーケットの近いところにいれば、競合の情報もタイムリーに入ってきますし、国や文化によって異なるお客様の要望もキャッチしやすくなると思っています。


―― 現役のエンジニアの頃のお仕事や、拘っておられた事について教えてください。


アメリカでの開発を経験して成長できたと思うのは、自分のやりたいことだけに集中できる環境だったからです。自分で使いたいと思う部品も、自分で探して注文していました。私がアメリカに渡った1995年頃にはデバイスFPGAが市場に出始め、各社が競って生産を開始。各メーカーのFPGAを取り寄せ、そのすべてを試して、自分が良いと思ったものを利用するなど、自分がやりたいことを自由にやらせてもらえる環境がありました。そのかわり、無茶苦茶仕事をしましたね(笑)。ただ私は、自分が好きなことを好きなようにやるのはまったく苦になりませんし、その3年間が自分を大きくしたと実感しています。今はマネジメントする立場ですが、できるだけ私が経験できたような環境の中でスタッフたちが仕事できるようにしたいと思っています。


徳田浩二様
徳田浩二様


―― 古野電気社の社風について、どのような社風だとお感じですか。


メリットであり、デメリットでもありますが、当社の開発・営業・管理・研究部門はこの西宮に集まっており、生産拠点の工場も車で1時間の三木市にあります。同じ事業所の中に各部門がいるのでタイムリーに直接話ができますし、部署間の壁もなく、活発に意見交換できる風土があります。技術研究所は年に1回技術交流会を開催し、開発や営業、管理に現在行っている研究内容を発表・展示して、情報の共有を行っています。その他研究所では「10%ルール」を導入し、勤務時間の中で10%は自分の好きなことを研究しても良いという制度をしいています。
変わったところでは、毎年年末に但馬漁協 柴山港の皆さんが水産物の即売会を開催しています。また、社員自身が自社製品のユーザーになれるよう、船舶免許取得費用の支援制度もあります。会社もフィールド評価のために3隻の船を所有して頻繁にフィールド評価を行っており、そのうち小型船は社員が操船することも可能です。
他にも、数年前からは役職名ではなく名前で呼ぶようになり、私が入社したころから自由な社風でしたが、以前にも増して上下の隔たりがなくなったと思います。人を大事に育てるというのも当社の伝統で社員の定着率が高いことも当社の特徴だと思います。



―― 御社へ転職されたい方へのメッセージをお願いします。


当社では、センシング(Sensing)、信号処理(Processing)、情報通信技術(Communication)という3つのコア技術に、事業で培った知識・スキル・ノウハウを統合(Integration)して、お客さまに役立つソリューションを提供することをフルノが提供する価値の源泉=「コアコンピタンス」とし、それぞれの頭文字をとって「SPC & I」と呼んでいます。 つまり、ソフトウエア、ハードウエア、電気・電子、メカ設計などは、基本的に社内ですべて行っています。だから、最終製品の開発に携わりたい技術者の方なら、どの部門でも持っているスキルを活かして働けると思います。 新卒で弊社を希望する方も、海が好きという方よりも、高周波や無線、レーダーなどの技術面で興味を持って応募頂ける方も多いのが実情です。ご入社頂くと、製品検証のために船に乗る機会はあるので、船酔いがキツイ方は大変かもしれないのですが(笑)、入ってから製品やマーケットに興味を持って頂けると思います。
ぜひ、当社の出る杭になってください。弊社の役員も「生意気なくらいのほうが良い」と申しております(笑)


―― 本日は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。