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【エンジニア必見!】常にアンテナを高く張って、情報を集める 【エンジニア必見!】常にアンテナを高く張って、情報を集める

(2016.12.27更新)川崎重工業株式会社 車両カンパニー 技術本部 本部長 准執行役員 寺井淳一様
インタビュー
川崎重工業株式会社 車両カンパニー 技術本部 本部長 准執行役員 寺井淳一様

川崎重工業株式会社 車両カンパニー
技術本部 本部長 准執行役員 寺井淳一様

―― 川崎重工業 車両カンパニーについて教えてください。


川崎重工が鉄道車両製造に着手したのは1906年。以来、国内で他社に先駆けて国産蒸気機関車やアルミ車両をはじめ、鉄道の歴史に残る数々の名車両を製造し、9万両以上の鉄道車両を製造しております。 新幹線電車に代表される高速車両では、航空宇宙部門がもつ流体力学などの技術を活かして、その開発・設計に参画。
さらに、特急電車、通勤電車、地下鉄電車、貨車、機関車、モノレール、新交通システムに至るまで、当社の車両製造の歴史は、鉄道輸送発展の歴史そのものです。その取り組みは、単に車両だけにとどまらず、振動・車体傾斜制御システムの開発など、鉄道交通システム全体の発展を支えてきました。
川崎重工は民間でも船舶やモーター・エンジン、プラント等、幅広く展開していますが、車両では国家プロジェクトレベルの事業も展開しています。
その技術は国内だけでなく国外でも採用されています。高速鉄道計画を進めるインドも、西部の都市ムンバイとアーメダバード間で新幹線方式の導入を決定し、2016年11月12日には安倍首相がインドのモディ首相と鉄道車両を製造する兵庫工場を視察に来られました。


―― 車両カンパニー、車両技術者のやりがいは何でしょうか。


弊社は、色々な乗り物を作っている輸送機器メーカーですが、 当カンパニーは、鉄道車両全体を扱っているため、自分たちが手掛けたものに乗客として実際に乗ることができる。直接触れられることが一番のやりがいです。 国内に限らず海外でも、出張先で川崎の銘鈑が付いた車両が走っていたりするので、 それを見ると技術者冥利に尽きますね。 人気の豪華列車のように乗りたくてもなかなか機会にめぐり会えないものもありますが。(笑)

―― 海外プロジェクトは3~5年かかると伺いましたが、苦労された点はございますか。


日本とは考え方も、もちろん規格も異なる点は大変ですね。
従来の車両の延長上である国内プロジェクトとは違って、 海外は白紙からのスタートなので、1から仕様を積み上げる難しさもあります。 仕様書も1文でも読み飛ばして、開発がやり直しになったら、全てメーカーの責任ですから。 また、受注に至る前から、設計は入札のために技術資料を作ったり、メーカーさんやお客様とお話したり、1,2年かけて準備をします。 受注しても、最初の1,2年は車両の形はないです。3年目にようやく車両が姿を現します。 そこからお客様に短くて5年、長くて8年、納め続けて、ずっと面倒を見ていく必要があります。 受注前を含めると、5年では済まないですね。すごく長いです。
ただその分、ものが目に見えてきたときの感動は大きいですね。

―― 海外のお客様となると競合が更に増えると思いますが、御社が選ばれている理由は何でしょうか。


弊社では非常にウェットな取り組みをやっています。トラブルの連絡があれば技術者が駆けつけますし、「契約書に書いてないから」と無碍に断ったりはしません。品質と技術は良くて当たり前、どこのメーカーも仕様書通りの車両を納めていると思います。ただ、それだけではなく、様々なイレギュラーが発生しますよね。そこにどのように対応できているかを評価されていると思います。
またアメリカの鉄道業界は横の繋がりが強く、トップが転々としているので、川崎がどのような仕事をしてきたかをみんな知っています。一度信頼関係ができると強いですね。
(編集注:2016/11/17にニューヨーク州交通局から、鉄道車両と納入済の車両の改造工事を約320億円で受注されています。)

―― 御社では、海外の案件にはどのような方をアサインされるのでしょうか。


まず、ある程度の英語能力は必要ですね。高い点数よりも実戦で使えることが大事です。 そして経験豊富な方ですね。受注前活動は少ない人数でやるので、ある程度力を持った人間を集めます。 お客様やユーザーさんとやり取りしていた経験があれば、度胸も据わっていると思うので、嬉しいですね。
あと、成功体験ですね。たとえ製品が違っても、どのように工夫・挑戦して結果を得たか という体験があると非常に助かります。
海外チームに配属されれば、新入社員でも1,2年目で海外へ行くチャンスがありますよ。あまり海外出張に対して垣根がないので、国内と同じような感覚ですね。
新幹線車両
寺井様


―― 現役のエンジニアの頃のお仕事について教えてください。


長い間、ずっと台車を担当していました。 現在の立場になって車両全体を見るようになりましたが、やはり足回りが得意ですね。 当時は、自他ともに高速鉄道用の台車では右に出る者はいないと、それくらいの強い自信を持っていましたね。 台車の技術者は少ないのもありますが(笑)。世界一の技術者だと思っていました。

―― 世界一だと、学ぶ対象が少ないですよね。常にご自身で学ばれていたのでしょうか。


常にアンテナを高く張って、色んなところで、色んな情報を集めていました。そこで集めた情報から、新しい技術を取り込んでいました。
今の技術者も、自分の担当外の車両や、隣のグループ、他の部署、他の会社の動向まで、高くアンテナを張ってほしいです。担当案件だけではなく、もっと総合的に考えてほしいと思いますね。
特に弊社の場合はカンパニー間のシナジーを大事にしていますから、他のカンパニーの技術を何とか知れないか?という動きをしないと一歩先には行けないです。
いずれにしても、情報を取るかとらないかは、本人次第。そのためには、いろんなチャンスや方法はあるので、もっと積極的に行ってほしいです。


―― アンテナを高く張り、様々な情報から事業全体を考えることが、技術者の心構えとして大事であり、その姿勢が社会的意義のあるプロジェクトを成功されている原動力になっているのだと感じました。

本日は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。



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