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日本・東南アジアトップシェアを誇る、パナソニックのルームエアコン!
そこに続く業務用エアコンの今後の海外展開とやりがいとは
日本・東南アジアトップシェアを誇る、パナソニックのルームエアコン!<br>そこに続く業務用エアコンの今後の海外展開とやりがいとは

(2017.7.5更新)パナソニック株式会社 アプライアンス社 大型空調マーケティング部 部長 小松原 宏様
インタビュー
入口にて

パナソニック株式会社 アプライアンス社 大型空調マーケティング部 部長 小松原 宏様

――大型空調マーケティング部について教えてください。


当社の海外マーケティング本部には約400名が在籍し、世界42ヵ国に約120名が駐在しており、家電メーカーの中でも一番多くの駐在員を出していると思います。私が所属する大型空調マーケティング部は東京の日比谷にオフィスがあり、業務用の大型空調を海外、特に市場が拡大している東南アジアを中心とする新興国での売上拡大を図っています。
空調事業は当社が成長事業として力を入れている事業です。経済の発展と共に、世界中で需要が拡大しています。単に空間を冷やすだけでなく、地球温暖化との密接な関連から省エネ効果、加えて生活やビジネスへの影響から耐久性も求められます。こうしたニーズに応えることのできる日本メーカーの空調機器が売り上げを伸ばしており、特に気温が高く、経済発展が進む東南アジアで需要が高まっています。
パナソニックは家電メーカーとしてルームエアコンでは日本と同じく東南アジアでもトップシェアを持っています。当社の業務用エアコン事業は三洋電機を買収して、旧三洋電機とパナソニックのメンバーが一緒になって本格的にスタートしました。現在、ルームエアコンの本拠地は滋賀県草津市、業務用エアコンは三洋電機がもともと持っていた群馬県大泉町に生産拠点があり、そこで開発も行っています。


―― 大型空調マーケティング部は新卒採用の方が多いのでしょうか。


現在、約20名のメンバーが在籍していますが、新卒採用は半分以下で、それ以外はキャリア採用です。新卒採用の社員も社内の転職制度を利用して異動してきた人が多く、最初から空調だったという人は少ないですね。人を教育して、事業を伸ばしてきました。 実際に対顧客の営業は、海外の販売会社のメンバーが行っています。私たちは彼らに新商品の情報や商談の進め方などを伝え、オーダーの情報を生産チームに繋いでいます。また、重要な商談の時には海外に飛んで海外メンバーと一緒に商談を行っています。


―― 競合他社も多い中、キャリア採用の方々が御社を選ばれる理由は何でしょうか。


当社では業務用空調にも家庭用と同じように「ナノイー」を搭載するなど、生活提案型の商品を扱っています。「ホテルにはこの商品がいいです」「病院にはこの商品がいいです」というようなお客様の視点に立った提案ができます。 元々、設備業界の営業は、空調に限らず、分厚いカタログを渡して「この中から選んでください」といったいわゆる品揃えで勝負するケースが多いのですが、私たちはどちらかというと生活提案型で勝負しています。 転職入社される方の多くもパナソニックに対してそういうイメージを持っているので、「そんな営業をやってみたい」と考えて、入社してくれるケースが多いですね。



―― キャリア採用で入社された方々は、どのような特徴をお持ちでしょうか。


大きく2つに分かれています。一方は若いメンバーで、空調の経験はないけれど、転職して新しい仕事で頑張ってみたいという人材で、海外で働きたいけれど、前職の会社の事情で行ける可能性がないという方からの応募が多かったですね。そこで採用したメンバーが、今東南アジアの最前線で活躍してくれています。当社ではどんどん海外に出ていくことができるので、喜んでくれていますよ。
もう一方は、空調を経験してきた中堅メンバー。彼らは今まで自分たちがやってきたやり方とパナソニックのやり方を比較しながら、よりよい提案をしてくれています。
空調未経験で入社したメンバーは、入社1年となる今年の6月にマレーシアに駐在員として赴任します。空調の経験はないものの、入社してからの吸収力を見込んで抜擢しました。入社1年で海外に赴任する彼を見て、他のメンバーも「自分たちにもチャンスがある」とポジティブになっていますね。 彼を駐在員にしたいと上司に提案したら、すぐにOKが出ました。1年では経験が短すぎるとは言われません。メンバーが駐在すれば、もっと伸ばせる市場や現場はまだまだあります。だから、海外で活躍したいという人材とマッチすれば、入社1年で海外に赴任することも可能です。


―― お仕事の楽しさや、やりがいは何でしょうか。


海外の市場でも特に東南アジアであれば、パナソニックの昔からのファンも多く、その方々と少し大げさに言えば、街づくりを一緒にやれる、そんな提案ができる楽しさがあります。みんなが、そんな仕事に携わることができます。 今日もベトナムのホーチミンに出張に出かけているメンバーからメールが来て、大きな現場に作られるコンドミニアムにパナソニックの空調を入れたいと言われ、その次に訪れた病院ではナノイー搭載の空調を入れたいと言われたそうです。若いメンバーが現場で頑張って、そんなレポートが送られてくるのが嬉しいですね。このレポートを送ってくれたのも、今年の4月に入社したメンバー。彼は英語も上手で、タフそうだったので、取りあえず「行って来い」と。「ベトナムの英語は難しい」と言っていましたが、非常にポジティブに仕事に取り組んでくれています。
海外のお客様は、日本人が足を運んで「これを使えば病院の空気がきれいになります」と一生懸命説明してくれるのだから、本当にキレイになるのだろうと信頼してくれるので「検討してみよう」と言って下さっているようですね。やはり直接提案するメリットは大きいと思います。
パナソニックは空調だけでなく様々な商品を展開している家電メーカーです。さらに、自分が志望する部署への異動を実現できる社内公募制度など柔軟な人事制度があり、多様なキャリアを描けるチャンスがあります。「海外の販売会社で活躍したい」「エアコンを核にトータルB to Bソリューションを提案できる人材になりたい」といったキャリアを描くことができるのです。キャリアの展開は他社よりも幅広いチャンスがあります。 空調はエネルギー消費率が大きいですが、「IoT」や「エネルギーマネジメント」のソリューション提案から見れば、一部分です。ただパナソニックであれば全体システムをパッケージで提案できるので、空調だけに携わるよりも幅広い仕事ができ、キャリアの形成には大きなメリットがあると思いますよ。


―― 家庭用と業務用空調では、ビジネスの進め方にどのような違いがございますか?


大型空調は1台の室外機に最大60台ほどの室内機を繋げます。家庭用は1台の室外機に1台の室内機です。業務用の大型空調設備では、室外機をどこに置けば熱効率が良いのか、室内機の配管も長さが変わるので、ビジネスパートナーと呼んでいる設計関係の人たちも絡んで仕事を進めていきます。 また、販売方法も家庭用とは違います。家庭用なら例えば家電量販店に行って、商品の機能が他社と比べてどう違うのか、価値と価格のバランスを伝え、販売員の方がそれを消費者に説明して販売します。
大型空調は先ほど話に出たビジネスパートナーの方々と活動するので、建物を一緒に作っているという実感があり、大きな達成感も得られます。 東南アジアでは、ホテルもどんどん増えているので、更にパナソニックの空調の快適性や省エネを広く伝えていきたいですね。ターゲットはホテルや病院、学校など。普通のビルは入居者が電気代を支払うので、オーナーは価格の安い空調を選びがちです。しかし、ホテルや病院、学校では電気代やメンテナンス代は自己負担なので、建てた後のランニングコストを重視にします。だから、安心できるパナソニックの空調を選びたい。そういったお客様が数多くいるということは、東南アジアに出かけて商談をしているメンバーは体感していると思います。


取材中
建物内には立派なショールームが


―― 今後はどのような展開を想定されていますか。


エネルギーマネジメントの考えが普及拡大します。空調から照明、エレベータといったビル全体の機器の見える化・効率化が求められてきます。 空調を作るメーカーはこれまで空調の中をどうコントロールすればうまく省エネできるか、に取り組んできました。 今回パナソニックはフランスのシュナイダーエレクトリックとエネルギーマネジメントの海外市場における開発・営業で戦略的に提携してくことを発表しました。これによってより最適なシステムを簡単な工事で実現できるソリューション提案など、新たな取り組みにも挑戦しています。
今後も協業的なことやアライアンスも含めて、新しい動きが出てくると思います。

私は入社以来、ずっとエアコンを担当していますが、今は本当に市場が伸びていて、世界市場でもライバルは日本メーカーという環境にあります。日本でいえば昭和30年代のように重要が伸びている大きなチャンスの時期です。日本の昭和時代と違うのは、省エネとか地球環境といった新たなテーマがあり、余計にしっかりとしたメーカーの商品でないといけないという考えが市場にあり、日本メーカーに追い風が吹いていると思います。もし機器が故障すればビジネスが停止しなくてはいけない設備なので、高級ホテルなどでは、実績と信頼性のある日本メーカーの空調が選ばれます。その意味では、日本が信頼されていて、日系ブランドの確からしさを海外で感じることのできる仕事です。だから、若い人たちがよく話しているように「海外に行って、日本の文化をもっと広めたい」ということは、空調ビジネスなら体感しやすいと思います。 中国でもPM2.5の問題があるので、パナソニックでは2つのナノイーを搭載した「ダブルナノイー」搭載空調機の販売も行っています。ガラスケースにたばこの煙を入れて、ナノイーで一気に洗浄するという実演をすると、その効果に強く興味を持って頂けますね。私たちは家電メーカーの発想で商品を提案しています。また、当社は中国では後発メーカーなので、同じ販売方法では違いを伝えることができないと考えています。

今は東南アジアで需要が伸びてきています。このエリアでは、昔からテレビや冷蔵庫などパナソニックの商品を使って下さり、性能や耐久性を評価してファンになってくださっている方が多く、せっかく買うのならパナソニックのものが良いと言って下さっています。それが東南アジアにおける当社の大きな強みとなっています。
パナソニックに対してお客様は「真面目で愚直、地味だけど壊れない」姿勢・商品を求めています。ですから、私たちもその点を市場に訴えています。マレーシアの工場では北欧向けのエアコンも生産しているため、マイナス20度の環境でも動くエアコンの実験をしています。そこに設計事務所や工事をしてくれるインストーラーと呼ばれる人たちを呼んで見学してもらうと「こんなことまでしているんだ」と感動してもらえるのです。現場と同じ状態で実験を行っている日本の大泉の工場に、インドネシアの取引先を招待した際には「本当に真面目だね」と言って頂けました。

―― それだけ製品への思いが強いのですね。


パナソニックの七精神に産業報国の精神というのがあります。自分たちの事業を通じて国を豊かにするというものです。創業の時はその「国」は日本でしたが、今は国が世界となっています。パナソニックの家電製品にこれまで触れた方々が、産業用でも空調に限らず、セキュリティカメラを買ってみよう、使ってみようと思ってくれています。ファーストパナソニックは家電で、そこからどんどん広がっていると思います。


―― 先ほど「真面目」というワードがでましたが、それが社風にも表れているのでしょうか?


真面目というのは、お客様や商品に対しる姿勢であって、社風が固いわけではありませんよ。大型空調マーケティング部も以前は生産拠点と同じ群馬県大泉町にあり、市場の拡大に伴ってキャリア採用をしていたのですが、なかなか応募が集まりませんでした。そこで「事務所を日比谷に借りさせてください」と当時の役員にお願いしたのです。ここでOKが出るのも他ではないことだと思います。移転の結果、人材が集まるようになりましたよ。
また、幹部も風土活性化に向けた若手の意見を取り入れ、カフェエリアの設置も実現しました。 (※編集注 草津の事業所は、建物内にスターバックスがあります![写真参照])
部長の私が20代のメンバーと話していると、キャリア採用のメンバーから「前職の会社ではあまりなかった」と言われました。まずは係長、次は課長に話をして、部長に話をするのは係長と課長と一緒に、という会社も多いそうです。そういう意味では意見を言いやすい風土があるのかなと思っています。 特に私の部署は海外出張も多いため、課長が不在の時にすぐに決裁しなければなけない案件があれば、「課長にはメールで報告」と指示をして、私が直接話を聞いています。


―― 本社部門のキャリア採用責任者の萬田様にお話を伺った際に、「パナソニックでは新卒もキャリアも理念がDNAに組み込まれている」と仰っていたのですが、実感されることはありますか?


昨年キャリア採用で入社し、経営理念の研修を受けたメンバーが、中国の取引先にもその研修を受けて頂いたところ、非常に感銘を受けられたそうです。他のメーカーではそんなことはしないと。当社の経営理念の話を聞いて、「父から商売を継いで、お金もあり、何のために自分が仕事をしているのだろう…と思っていたが、この経営理念を聞いてもう一回頑張ろうと思った。」と言って頂けたそうです。その社員が「もっと他の取引先にも実施したい」というので、「どんどんやったらいいよ」と話しています。
インドネシア、ベトナムでも空調を伸ばしていきたいと考えているので、現地でメンバーを採用しています。そのメンバーたちには創業者の映像を見てもらい、松下幸之助が好きだった京都の餅をみんなで食べ、空調ビジネスの今後の話をしながら、更に成長するためには何をすべきかを一緒に考えて話してもらっています。拠点を超えて一致団結できる風土ができていると思いますね。 当社では経営理念は、非常に大事な存在です。キャリア採用で入社してきた人にとっても、新しい環境の中での心の拠り所になっていると思います。また、この経営理念が、パナソニックのフェアなビジネス、フェアなトレードに繋がっていると思いますね。


―― 本日は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

建物内のスターバックス