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業績好調なハードカプセル・製剤関連機器メーカー
クオリカプス社(三菱ケミカルHDグループ)に取材をしました。
業績好調なハードカプセル・製剤関連機器メーカー<br/>クオリカプス社(三菱ケミカルHDグループ)に取材をしました。

(2017.1.17更新)クオリカプス株式会社 専務執行役員 管理本部長 金澤昌俊様
インタビュー
建屋前にて

クオリカプス株式会社
専務執行役員 管理本部長 金澤昌俊様

―― クオリカプス社についてお聞かせください。


当社はハードカプセルの製造販売及び製剤関連機器の製造販売メーカーで、今年で創業51年目になります。販売創業時はハードカプセルの製造、販売を行っていましたが、1980年からカプセルの充填機を皮切りに機械事業を始めました。現在では、日本法人120億円の売上のうち、カプセル事業50%、機械事業50%の比率になっています。機械事業はここ数年で急成長しており、従来は国内中心でしたが、今後は海外展開を図っていきます。
クオリカプスグループの連結売上高の海外比率は6割を超えます。カプセル市場は今後も年率数%の成長が見込まれ、さらなる収益拡大を目指しております。機械事業もまた、同様の展開を図っていきます。


―― 業績が好調とお聞きしておりますが、社内で取り組んできたことはございますか?


当社は、人を大事にする会社です。2006年頃の数年間は業績が苦しい時期もありましたが、新規開発製品の市場投入や営業戦略の再構築などで雇用を守りつつ乗り切りました。当社のカプセル事業・機械事業は個々の技量に依存する部分も多いため、一人前になるまで時間がかかります。人を大事にし続けたことで、商売の種が出てきたときに、即座に施策を打って業績に繋げることができました。5,6年前から開発した製剤関連機器もようやく花を開くようになってきました。
もともと製薬会社のグループ企業であった影響で製薬会社の風土が根付いており、品質には非常に高い意識を持って取り組んでいます。最終的には医薬品・健康食品を服用される方の生命・健康に関わること、良いカプセル及び機械を作ることで、製薬会社や健康食品会社の生産性にも貢献します。そのような基本の理念がクオリカプスには根付いております。理念がお客様に伝播し、高い信頼に繋がっています。人を大切にする企業風土、それに伴う開発力、徹底した品質への意識が好業績に結びついていると考えます。


―― 機械事業に参入したきっかけは?


当社のカプセルを納入したお客様のラインでチョコ停(オペレータが復帰可能な程度のライン停止)が起こっていたので、お客様のラインを円滑に動かすためにも、充填装置自体も作ってしまおうと、考えたことがきっかけです。当時の売れ筋商品は充填装置・シール機でしたが、現在は錠剤印刷機や検査装置となっており、印刷・検査関係だけで売上の6,7割となっています。
特に4,5年前に開発した錠剤の表面にレーザーで印字をするレーザー印刷機、そしてそれに続くインクジェット印刷機がヒットいたしました。患者さんの誤飲防止のため、また製品差別化等により製薬会社様からのニーズも増えております。印刷技術に関しても更なる開発を進めてまいります。


―― 採用の場面では、成長意欲が高い人を求めていらっしゃいますが、どのような背景がございますか?


まず、「全世界の人々の健康に貢献する」という取り組みの一環として、アジアにも拠点を作りたいと考えています。従って、医療系の会社だからといって安定を求めて入社するだけでなく、『世界そしてアジアの生命・健康に貢献する』という気持ちのある人材を求めています。国内でも、HPMCカプセル(植物繊維由来の低湿度・ノンカロリーのカプセル)が売れているものの、供給が需要に追い付いておらず、設備投資が課題です。設備更新には新しい技術も導入してコスト対応・品質向上を行い、将来はAIなどの技術の導入も行って行きたいと考えております。同じことは先程海外展開も進めて行きたいとお話しした機械部門にも言えることです。そのような新しいチャレンジを行うためにも、成長意欲が高い方と一緒に働きたいと考えています。

―― 社内で風土改善など取り組んでいらっしゃることはございますか?


人材教育に力を入れており、英語の勉強を推進しています。300名強の社員の中で、100名ほど、1レッスンコーヒー1杯分の自己負担でスカイプ英会話のマンツーマンレッスンを行っています。海外に行って自らお客様に話をする機会もあり、その時に外国人に話しかけられても気後れしなくなりますし、流暢でなくても英語で話すことにより、良好な人間関係を築ければ、と期待しております。
今後は、人材教育にも力を入れていきたいと考えています。今年は50名人近く社員数が増えており、研修を通じて、経営理念を浸透させたいと考えています。当社だけではなく、三菱ケミカルホールディンググループのKAITEKI理念やコンプライアンスなど、研修を通じて理解することで、働きやすい環境にしたいと考えています。
クオリカプス株式会社 専務執行役員 管理本部長 金澤昌俊様
建屋


―― 金澤様のこれまでのご経歴やお仕事に対する想いについてお聞かせください。


当社以外で3社経験しております。1社目は大手製薬会社です。経理部門を経験後、医薬事業部の企画部門で、医療関係の情報を集めて社内で共有したり、営業組織をどうするかを検討したり、卸さんや医師会や薬剤師会向けの講演及び社内研修を行ったりと、経理とはガラッと違う仕事をしていました。
2社目の大手家電量販店へは、入社後経理部門の課長・部長のポストの可能性があり、自分の力を試したい、また、もっと自分と会社が密着したところで成長したいという点から転職をしました。運よく上級管理職である部長になりましたが、管理会計のシステム導入時は夜中ずっとサーバーを動かして、再計算を行ったりと、苦労もしました。大学で勉強していた管理会計の勉強が役に立ち「何事も一生懸命やると活きてくるものだな」と、この時改めて思いました。また、この会社では税務上の課題も多く、前職と合わせて、財務会計、管理会計、税務会計のプロフェッショナルとしての能力を身につけることが出来ました。 3社目では、逆に「転職はそんなに甘くないよ」という現実に遭遇しました。転職活動時に、経理部長が60代だったので、次を意識して入社しましたが、現実には、転職数か月後に管理本部内の企画部、経理部がなくなって総務部にくっついたことで、想定のポジションが得られませんでした。ただ、これに腐らずに頑張り、ハンガリーおよび中国子会社の立ち上げ、経理以外に監査室・企画・広報を同時に担当するなど、貴重な経験が得られました。やはり仕事は面白いかどうかです。

現職のクオリカプスに興味を持ったのは、経理財務マンとして当時の株主であったファンド会社に興味があったからです。もう1社悩んだ企業があったのですが、父が以前、同じ工業団地の松下住設機器に働いていたこともあり、ご縁を感じて入社を決めました。様々な難易度の高い案件に遭遇しましたが、「向かっていけば何とかなる」ということを皆さんにお伝えしたいです。
仮に、ちょっとよくないことがあっても、あきらめるのはダメです。「そこで何をやるか」を決めて、逆境になっても乗り越えていくべきです。想定外のポジションになっても、腐ってはダメです。私は理不尽なことがあっても、自分に対しても、相手に対しても、一生懸命仕事をしていました。
懸命にやっていると、助けてくれる人が出てきます。それはどこの会社に行っても同じ。最初は大変だけど2,3か月やっていると「一緒にやりましょう!」と言ってくれる人がきっと現れます。まずは目の前のことを一生懸命していると、つながりもわかってくる。ある期間、懸命に仕事へ取り組むと、壁を突破することができ、自分の成長を実感できます。

―― 改めまして、クオリカプス社での働き甲斐は何でしょうか?


私たちの事業は、人の生命・健康のための事業です。皆さんの仕事を通じて、世界の皆さまに貢献ができるやりがいのある会社です。カプセルは、日本においては医科向けのシェアが6割程度、近年では健康食品への使用も増加しており、身近な人が飲まれている薬や健康食品を見れば、当社の製品が必ず使われています。人のためになっている誇りを感じられる会社だと思いますね。当社の機械事業もまた、こうした医薬品・健康食品を製造する上でのラインの一部を担っています。我々の機械は表に出ませんが、ここでもまた人の生命・健康の役に立っている会社です。


―― 本日は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。