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【細井智彦コラム】自分の強みを見つけるコツ1「自分の仕事の求人票を書いてみる」 【細井智彦コラム】自分の強みを見つけるコツ1「自分の仕事の求人票を書いてみる」

<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント

<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント

大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、260社、面接官3000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数




自分の強みを見つけるコツ1「自分の仕事の求人票を書いてみる」


<強みを見つける5つの方法>
1)自分の仕事の求人票を書いてみる
2)時間の物差しで成長点を見つける
3)見本帳から選ぶ
4)思いつく不満や短所を裏返す
5)人に聞く

自分の強みを見つけるコツ1「自分の仕事の求人票を書いてみる」

前回は「強み」について書きました。その際にご提示した上記の強みを見つける5つの方法から、最初の1つをご紹介します。
企業が求人を転職エージェントやハローワークに依頼したり媒体で広報する際にはJD(ジョブディスクリプション)といわれる求人要件をまとめます。それを開示できるようにしたのが求人票です。求人票作成には仕事内容の記載とその仕事の遂行に必要な要件を言語化しまとめる作業を伴います。この作業が実は個人の方々が自分の強みを発掘するのにもとても役立つのです。

巷の求人票の募集要件欄には

・積極的にチャレンジできる人
・変化対応力
・自ら考え行動できる主体的な人
・コミュニケーション能力に長けた人


こんな言葉がよく出現します。どれも欲しいから書かれるのですが、おおむね抽象度が高く理想論に見えてしまいがちです。なぜか、根拠となる証拠の例示がないとイメージがわかないからです。本来、求人票に記載される必要要件は仕事内容との因果関係があってのものですが、企業は意外に、欲しい人材!となったとたんに仕事での行動をあまり想起せず、ただ理想を頭で考えてしまいがちなのです。だから企業の求人票を読み込むときも要件は鵜呑みにせず、仕事内容をよく読み込み自分で要件を想像しておくことが必要なのです。大事なことはその要件が使われる場面なのです。
わかりやすい例を。みなさんが転職しようと職務経歴書で自己PRしようとした際に

・自ら考え行動できる主体性があります
・コミュニケーション能力があります


と書いたとしても、その言葉はスルーされてしまいます。相手が求めているからそのまま書いても無視される、それどころかきれいごとを書いていると思われかねません。なぜか?選考する側が関心を持つのは、PRで書いてあることそのものではなく、背景にある仕事内容でどんなコミュニケーションをとってきたか、という行動記録だからです。

物理学の世界では

「仕事量」=エネルギー✕移動量

で決まると聞いたことがあります。実に面白いなあと思いました。どんな能力や知識があっても行動を伴わなければ仕事量はゼロ。上司が知ったら使いまくりそうなフレーズですね。
それはともかく、活かせる強みとは言い換えればその仕事を遂行する力なので、まずは仕事内容の特徴を充分に把握することが大事なことなのです。
森下仁丹社が第四新卒、と銘打って50代で経験不問の求人を展開されており、いい取り組みだと思っているのですが、求人を告知したら5名ほどの枠に1,000人を超える問い合わせがあったといいます。50代で未経験歓迎!すごいな、勇気あるな、と思いがちですが、忘れてはいけないのは、決して誰でもいいわけではない、「その仕事ができる人」というとてもシンプルな条件がそこにはある、ということです。これはけっこう大事なポイントで、逆にいえば、経験◯年とか、チャレンジ精神ある人、とか要件欄にいろいろ書いてあるけど、突き詰めれば全ての求人票の要件は次の言葉で済ませられるってことを暗示しているのです。

「どんな経験であれ、プロとして記載されている仕事をやり遂げ、企業の求める方向に進化・変革させることができる人ならばOK」

いかがでしょうか。グウの音もでない、正論すぎて嫌味なほどではありませんか。要件とは、この普遍的な原則に基づき、それを各社なりに解釈して、それぞれが、いくらなんでもせめてこのくらい経験して欲しい、知識が欲しい、とか、それができる人ってなんだろう、チャレンジ精神かな、とか頭で考えて作り出しているのです。だから要件を言葉にした瞬間から得てしてそれらは一般的で抽象度の高いものになりがちなのです。イメージできるようにするには具体化が必要です。では、そのためにはどうすればいいか。行動の言葉にしてみるのです。 
ここは、シンプルに、この仕事ができる人ってどんな人を考えてみる。そのためにはまず、そもそも、この仕事ってどんな仕事なんだっけ?というところからよく考えてみるのです。そして、この自分の仕事の求人要件を考えるプロセスによって、自分が仕事を通して鍛えてきた強みを発掘できるのです。それでは、自分の求人票をつくる3つのStepをご紹介します。

Step1 自分の仕事の5W1Hを把握する
仕事は昔も今もこれからも5W1Hの要素で構成されています。だから仕事を理解するための第一歩は5W1Hに分解することです。
自分の仕事だけではなく求人情報を検討する際も

どこで、だれと(だれに、だれから)、なにを、どのようにする、

というとらえかたを習慣にしておきましょう。(さらにできれば、どのように、を、どのくらいの時間で いつまでに、どのくらいの量を手がけるのか。というように細かく分けてとらえていきます。)

例えば
(どこ=関西の電子部品メーカー)で(だれ=電機メーカー向け)に(なに=スマートフォンの音声認識モジュールの組み込みソフト)を(どのようにする=プロジェクトリーダーとして設計から評価まで)してきました。という感じです。

Step2 「やってきました」を「できます」に変えてみる。どんなことにも「力」をつけてみる。
どんな仕事でもそれを遂行するうえで求められる力があります。ということは、経験してきた仕事で活かして力は必ずあるわけです。体力、能力、胆力、能力を示す言葉は当たりまえですが、なんでも最後に「力」が付きます。だったら極端な話し、どんなことでも「力」という漢字をつけてしまえば、強みにできるのじゃないか、と。やってみました。
運動が苦手な力、食べることが好きな力、食べても太らない力、断るのが苦手な力。

先の例でやってみると
(関西の電子部品メーカー)で(電機メーカー向け)に(スマートフォンの音声認識モジュールの組み込みソフト)を(プロジェクトリーダーとして設計から評価まで)できます。

となります。


Step3 その仕事を誰かに任せるとしたら、どんな人なら安心して任せられるかを考え書き出す。
いよいよ仕上げです。
この仕事を遂行するにはどんなことが求められるか、どんな困難なことがあるか、どうすればうまくいくだろうか、どんなことが面白そうか、場面をイメージしながら言葉にしていきます。


先の例では

(関西の電子部品メーカー)で(電機メーカー向け)に(スマートフォンの音声認識モジュールの組み込みソフト)を(プロジェクトリーダーとして設計から評価まで)ができる人

となり、ここでスマホの開発環境やライフサイクル、スマホ向け音声認識モジュールの仕様の5W1Hの因子まで掘り下げながら、ライフサイクルの短い商品に搭載される、高精度で安価で耐候性や薄さを求められるものを生み出せるためにはどんなことが求められるか。要件を書き出してみてください。そこにでてきた言葉が、その仕事で、実際に鍛えられたり求められる強みであり力です。
面白いのは、要件にした瞬間から、愚痴のネタになりそうな困難な状況が能力の言葉に置き換えられることができるところです。例えば納期に追われるのでじっくりと開発に取り組めない、というと不満ですが。納期に追われる環境でも仕事に飲みこまれないように、顧客と調整しタスクを取捨選択しながら取り組むことが求められる環境で鍛えてきました!とできるとそれは強みにできるのです。自分の仕事と客観的に向き合い、普段は自覚してないような行動のなかに鍛えてきた強みに気付く方法として、ご自身の仕事の求人票をいちど書いてみてはいかがですか?

次回は、2つ目の「時間の物差しで成長点を見つける」について書きたいと思います。


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